マイナンバー制度で、講じなければならない「安全管理措置」は、多岐に亘ります。
中小規模事業者への特例はありますが・・・、準備は進んでいますか?
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今回は、マイナンバー制度で講じなければならない「安全管理措置」についてです。
事業者は、個人番号及び特定個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の適切な管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければなりません。
また、従業者に対する必要かつ適切な監督も行わなければなりません。
事業所で取るべき措置は、多岐に亘っていますが、10月の始動まで時間は多くありません。どれもすぐに対応を始めることが必要です。
では、順にご紹介します。
◆番号法における安全管理措置の考え方◆
法では、
・個人番号を利用できる事務の範囲
・特定個人情報ファイルを作成できる範囲
・特定個人情報を収集・保管・提供できる範囲
等を制限しています。
したがって、事業者は、個人番号及び特定個人情報(「特定個人情報等」)の漏えい、滅失又は毀損(「情報漏えい等」)の防止等のための安全管理措置の検討に当たり、次に掲げる事項を明確にすることが重要とされています。
A 個人番号を取り扱う事務の範囲
B 特定個人情報等の範囲
C 特定個人情報等を取り扱う事務に従事する従業者(「事務取扱担当者」)
◆中小規模事業者への特例◆
中小規模事業者(事業者のうち従業員の数が100人以下の事業者(金融分野の事業者などは除かれる))には、安全管理措置の特例を設けて、実務への影響が配慮されています。
しかし、中小規模事業者は事務的な負担が軽減されますが、罰則規定に関してはまったく同じです。
以下では、【中小規模事業者への特例】も分かるように記載していきます。
◆安全管理措置の検討手順◆
事業者は、特定個人情報等の適正な取扱いに関する安全管理措置について、次のような手順で検討を行う必要があります。
A 個人番号を取り扱う事務の範囲の明確化
B 特定個人情報等の範囲の明確化
C 事務取扱担当者の明確化
D 特定個人情報等の安全管理措置に関する基本方針(「基本方針」)の策定
→組織として取り組むために、基本方針を策定することが重要
E 取扱規程等の策定
→A~Cで明確化した事務における特定個人情報等の適正な取扱いを確保するために、取扱規程等を策定しなければなりません。
◆基本方針の策定◆
基本方針に定める項目としては、次のものが例示されています。
・ 事業者の名称
・ 関係法令・ガイドライン等の遵守
・ 安全管理措置に関する事項
・ 質問及び苦情処理の窓口 等
◆取扱規程の策定◆
上記の◆安全管理措置の検討手順◆のA~Cで明確化した事務の流れを整理し、特定個人情報等の具体的な取扱いを定める取扱規程等を策定しなければなりません。
手法の例として、次の管理段階ごとに、取扱方法、責任者・事務取扱担当者及びその任務等について定めることが考えられます。
① 取得する段階
② 利用を行う段階
③ 保存する段階
④ 提供を行う段階
⑤ 削除・廃棄を行う段階
【中小規模事業者における対応方法】
・ 特定個人情報等の取扱い等を明確化します。
・ 事務取扱担当者が変更となった場合、確実な引継ぎを行い、責任ある立場の者が確認します。
中小規模事業者には、取扱規程の策定は義務ではありません。
しかし、特定個人情報等の漏えい等の防止その他の適切な管理のためには、取扱規程を作っておくことが望まれます。
少なくとも、現行の就業規則に「特定個人情報等の取扱い」の項目を追加することは、コンプライアンスの徹底、リスク回避のために不可欠でしょう。
なお、職員10名以上の事業所の事業主は、取扱規程の作成や就業規則の変更を行った場合、管轄の労働基準監督署に届け出る義務があります。
以上、安全管理措置の「事務の洗い出しなど」「基本方針の策定」「取扱規程の策定」をご紹介しました。
次回は、「組織的安全管理措置」などをご紹介します。
※ご注意:今後、ガイドライン等が変更される場合や新たな政省令によって法解釈や実務処理等が変更される場合もありますのでご留意ください。
それでは、今日は、ここまでです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
次回をお楽しみに!
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